Sun Ray 管理ツール (Admin GUI) は、サーバー、セッション、デスクトップユニット、トークンなどの主要な Sun Ray オブジェクトを管理する簡単な方法を提供します。
Sun Ray システムは、大部分の PC ベースのファットクライアント環境に関わるメンテナンス、アップグレード、および運用のコストを低減する、相互運用可能なデスクトップコンピューティングソリューションをお客様に提供します。システムでは、Sun Ray デスクトップユニット (Desktop Units、DTU) と呼ばれるシンクライアントが Sun Ray サーバーに接続する、ネットワーク依存モデルを使用します。オフィス生産性スイート、Web ブラウザ、デスクトップそのものなどのデスクトップアプリケーションはすべてサーバー上で実行されます。一方、DTU は単にフレームバッファーとして機能し、デスクトップの表示とサーバーへのユーザー入力の転送を行います。Sun Ray DTU にはローカルディスクや、ローカルにインストールされたアプリケーションまたはオペレーティングシステムがないため、ステートレスと見なされます。このため、交換が簡単で、メンテナンスにかかるコストが低く、極めて安全なのです。
サービスの中断を防ぐために、複数の Sun Ray サーバーをフェイルオーバーグループとして構成して、サーバー停止時には、影響を受ける DTU がフェイルオーバーグループ内の次に使用可能な Sun Ray サーバーに自動的に再接続するようにすることができます。負荷分散アルゴリズムにより、各サーバーの現在の負荷および容量を考慮して、DTU 接続が残りのサーバー間で均等に分散されます。このモデルには、実行中のデスクトップセッションの別のサーバーへの自動転送は含まれないということを理解しておくことが重要です。未保存のユーザーデータまたはセッションステートは、元のサーバーが使用できなくなると失われます。Sun Ray フェイルオーバーグループモデルにより、ユーザーはこれ以上機能が停止することなく、すぐに別のサーバー上で新規デスクトップセッションを開始することができ、そういった意味では高可用性だと言えます。
Sun Ray アーキテクチャーではトークン (認証キー) を使用して、デスクトップセッションをユーザーに関連付けます。通常、トークンは、ユーザーが DTU のカードリーダーに挿入するスマートカードで示されます。そのトークンに関連付けられているセッションが任意の Sun Ray サーバーで既に実行中の場合、DTU はそのサーバーに自動的にリダイレクトされ、ユーザーの最新のセッションが表示されます。セッションは引き続きサーバー上に存在しますが、ユーザーを追って DTU 間を移動するように表示されます。ホットデスクまたはセッションのモビリティと呼ばれるこの機能により、ユーザーはネットワーク上の任意の DTU を使用して、別の場所から各自のセッションにアクセスすることができます。