十分な容量があり、サポートされているバージョンの Solaris オペレーティングシステムまたはサポートされているいずれかの様式の Linux が実行されているサーバーは、Sun Ray サーバーとして構成できます。初期の Sun Ray 実装では、DTU をサーバーに接続するのに、物理的に専用の Ethernet ネットワークを使用した専用の相互接続に依存していました。現在は、DTU も既存のローカルエリアネットワーク (Local Area Network、LAN) インフラ上に配備できるようになり、専用の相互接続が不要になりました。
サービスの中断を防ぐには、複数の Sun Ray サーバーをフェイルオーバーグループとして構成できます。グループ内のサーバーは、共通のグループ署名 (グループ内のサーバー間で送信されるメッセージへの署名に使用されるキー) を使用して、互いに認証 (または信頼することを学習) します。グループ署名は、utgroupsig コマンドを使用して、各サーバーで同一のものに構成する必要があります。
フェイルオーバーグループは、1 つの主サーバーと、utreplica コマンドを使用して構成された 1 つ以上の副サーバーで構成されます。各 Sun Ray サーバーは独自のローカル Sun Ray データストアをホストします。ただし、ローカルデータストアでは読み取りアクセスのみが可能です。データの変更 (書き込みアクセス) は、まず主サーバーに書き込まれ、後から副サーバーの Sun Ray データストアに複製されます。
utgstatus コマンドと同様に、「サーバー」タブにはフェイルオーバーグループ内のすべてのサーバーのリストが表示されます。接続した DTU の数、ユーザーセッションの数、現在のサーバーモードなどの追加情報を表示するには、サーバー名をクリックします。
オンライン: サーバーは、フェイルオーバーグループ内の負荷分散アルゴリズムによって制御される標準のセッション作成処理に参加します。
オフライン: サーバーは、負荷分散に参加しなくなります (負荷分散アルゴリズムは新規セッションでこのサーバーを選択しません)。ただし、引き続きサーバー上でセッションを作成できます。ほかのすべてのサーバーが停止している場合は、utswitch コマンドまたは utselect コマンドを使用して明示的に作成するか、暗黙的に作成します。
また、utadm コマンドを使用して、LAN サポートを個別に有効または無効にすることができます。有効にすると、Sun Ray サーバーは共有のサブネットからの DTU 接続を受け入れます。
注 - 専用の相互接続を使用するようにサーバーを構成してある場合は、LAN サポートを有効にする必要はありません。
一部の構成の変更は、各サーバー上の Sun Ray サービスを再起動しない限り反映されません。変更により Sun Ray サービスを再起動する必要が生じた場合は、Admin GUI の右上隅に通知メッセージが表示されます。表示されたリンクをクリックして「サーバー」タブに切り替え、「ウォームリスタート」または「コールドリスタート」を実行します。
ウォームリスタート: 既存の Sun Ray セッションは保持されます。小規模な構成の変更を行った場合は、このオプションを使用します。変更が小規模な場合は、既存のセッションを終了する必要はありません。
コールドリスタート: すべての既存の Sun Ray セッションが終了されます。大規模な変更を行った場合は、このオプションを使用します。
注 - グループ全体で再起動を実行するには、サーバーテーブルですべてのサーバーを選択してから (個別に選択するか、「すべてを選択」ボタンを使用します)、「ウォームリスタート」ボタンまたは「コールドリスタート」ボタンをクリックします。